図書の分類法をかじってみた
- 公開日 : 2005年5月30日 (2015年5月23日 更新)
- カテゴリー : 情報設計 (IA)
私は普段の生活の中で、図書館に行く機会が多いのですが、仕事柄ウェブの情報アーキテクチャ (IA) を日々実践していることもあり、図書の分類法に興味があります。図書館はウェブよりもはるかに歴史が長いわけで、そこで長いこと用いられている分類法 (タクソノミー) には、何か学べることがあるのでは、という期待もあります。
そこで、「図書分類の実務とその基礎―データ作成と主題検索へのアプローチ」という本を読んでみました。日本十進分類法(NDC:Nippon Decimal Classification)を中心に、図書分類の基礎を学ぶことができます。

国立国会図書館のように、図書館の目的によって独自の分類ルールを設けているところもありますが、日本で一般的に使われている日本十進分類法は、有名な「デューイ十進法」の流れを汲む形で、十進法による体系的な情報分類がなされています。この十進法による分類ですが、各階層ごとに10の分類があって、下位の階層との関連性は、以下のように表されます。
- 第一階層 : 000.総記、100.哲学、...600.産業、700.芸術、...
- 第二階層 : 600.産業 (一般)、610.農業、620.園芸、...
- 第三階層 : 610.農業 (一般)、611.農業経済、612.農業史・事情、...
このように十進法で整理することで、図書館の規模や性質 (得意分野など) によって採用する分類階層の深さをフレキシブルに調整できたりもします。特定分野、たとえば農業分野についての蔵書が少ない図書館であれば、農業に関しては第二階層までを使用する (「610.農業」でひと括りにする)、といった使いかたができます。
また、分類された各項目のラベリング手法も興味深いところです。体系化されたシソーラスの具体例として、ウェブの情報アーキテクチャにとってもおおいに参考になりそうです。シソーラスについては、個人的に興味があるので、追い追いこのブログでも触れたいと思います。