WCAG 2.2 日本語訳の更新 (達成基準名称を含む全体的なブラッシュアップ)

私も招聘専門家 (主査) として参加している ウェブアクセシビリティ基盤委員会 (WAIC) 翻訳作業部会にて、W3C 勧告「WCAG (Web Content Accessibility Guidelines) 2.2」の日本語訳が更新され、このほど公開されました。

ISO/IEC 40500 が2025年9月に改正され WCAG 2.2 と同内容になったことを受けて、WAIC ではその一致規格である JIS X 8341-3 の改正を検討しています (参考 : JIS X 8341-3 改正原案作成委員会 発足のお知らせ | ウェブアクセシビリティ基盤委員会 (WAIC)。今回の WCAG 2.2 日本語訳の更新は、その検討過程で達成基準名称をはじめ全体の翻訳文面を改めて見直し、修正を施したものです。

達成基準 (およびその上位のガイドライン) 名称の変更は、以下のとおりです。

# 旧名称 新名称
1.2 時間依存メディア 時間ベースのメディア
1.2.1 音声のみ及び映像のみ (収録済) 音声だけ及び映像だけ (収録済み)
1.2.2 キャプション (収録済) キャプション (収録済み)
1.2.3 音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済) 音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済み)
1.2.5 音声解説 (収録済) 音声解説 (収録済み)
1.2.6 手話 (収録済) 手話 (収録済み)
1.2.7 拡張音声解説 (収録済) 拡張音声解説 (収録済み)
1.2.8 メディアに対する代替 (収録済) メディアに対する代替 (収録済み)
1.2.9 音声のみ (ライブ) 音声だけ (ライブ)
1.3.2 意味のあるシーケンス 意味をなすシーケンス
1.3.3 感覚的な特徴 感覚による特性
1.3.4 表示の向き 向き (orientation)
1.4.1 色の使用 色の用途
1.4.7 小さな背景音、又は背景音なし 背景音の小さい又はない音声
1.4.13 ホバー又はフォーカスで表示されるコンテンツ ホバー時又はフォーカス時のコンテンツ
2.1 キーボード操作可能 キーボードアクセス可能
2.1.4 文字キーのショートカット 文字キーによるショートカット
2.2.1 タイミング調整可能 期限調節可能
2.2.2 一時停止、停止、非表示 一時停止・停止・非表示
2.2.3 タイミング非依存 期限なし
2.2.4 割り込み 割込み
2.3 発作と身体的反応 発作及び身体的反応
2.4 ナビゲーション可能 ナビゲート可能
2.4.1 ブロックスキップ ブロックのバイパス
2.4.4 リンクの目的 (コンテキスト内) リンクの目的 (文脈内)
2.4.5 複数の手段 複数の経路
2.4.9 リンクの目的 (リンクのみ) リンクの目的 (リンクだけ)
2.5.1 ポインタのジェスチャ ポインタジェスチャ
2.5.2 ポインタのキャンセル ポインタキャンセル
3.1 読み取り可能 判読可能
3.3.2 ラベル又は説明 ラベル又は指示
3.3.3 エラー修正の提案 エラーの修正提案
3.3.4 誤り防止 (法的、金融、データ) 誤り防止 (法的・金融・データ)
3.3.6 誤り防止 (すべて) 誤り防止 (全て)
4.1.1 構文解析 (廃止・削除) 構文解析 (廃止及び削除)

この他にも、より原文の記述に沿った形での日本語にする方向で、全体的に翻訳をブラッシュアップしています。訳語の一貫性を含め、細部にわたって確認、改善がなされていますので、ぜひご活用いただければ幸いです。