ウェブアクセシビリティとは?
ウェブユーザビリティと非常に関わりの深い概念として、ウェブアクセシビリティがあります。「アクセシビリティ (accessibility)」とは、「access (アクセスする)」+「〜ible (〜できる)」(の名詞形) であり、ウェブアクセシビリティとはすなわち、「ユーザーがウェブサイト上の情報に接することができること (コンテンツが利用可能な状態にあること)」を意味すると言えるでしょう。
ISO 9241-20 では、「アクセシビリティ」は以下の通り定義されています。
the usability of a product, service, environment or facility by people with the widest range of capabilities.
様々な能力を持つ幅広い層の人々に対する、製品、サービス、環境または施設のユーザビリティ。
「ウェブユーザビリティとは?」でご紹介した ISO 9241-11 のユーザビリティの定義を踏まえつつ、もう少しかみ砕いて言い換えると、ウェブアクセシビリティとは「ユーザーが障害者や高齢者であっても、あるいは他の条件 (異なる端末や通信環境を使っていたり、いろいろな利用状況下にあったり、など) があったとしても、個々のユーザーのゴール達成が妨げられないこと。」と言うことができるでしょう。障害や高齢、その他ユーザー側の条件が、ユーザビリティの阻害要因になってはならないことを謳っているという意味では、ウェブアクセシビリティはウェブユーザビリティ実現に不可欠な前提要件と理解できると思います。
ウェブアクセシビリティを担保するためには、たとえば以下のような要件が満たされている必要があります。
- 高齢者 (老眼) やロービジョンの人が、自由に表示を拡大できること。
- 怪我や上肢障害でマウスを使えない人が、キーボード操作によってサイトを利用できること。
- 色の識別が困難な人であっても、表示されている情報を正しく理解できること。
- 目が見えない (あるいは見にくい) 人であっても、スクリーンリーダー (音声読み上げソフト) によって情報を理解できること。
- 耳が聞こえない人であっても、動画やオーディオコンテンツで表現されている肝心な情報を理解できること。
- 認知や学習に障害がある人であっても、負荷なく情報を理解できること。
- モバイル端末のような小さな画面でも、PC と同等にサイトを利用できること。
- モバイル端末などを屋外で使用していても、見やすい (読みやすい) こと。
- モバイル端末などを貧弱な通信環境で使用していても、サイトを利用できること。
- 音が出せない公共の場であっても、情報取得が阻害されないこと。
- ...など
このサイトでは、ウェブアクセシビリティを向上させるための具体的なノウハウについても、いろいろとご紹介したいと思いますので、どうぞご期待ください。