フィードバックを返す

「フィードバック」という言葉には、色々な意味がありますが、ここでは「ユーザーがあるアクションを起こしたときに、反応を返すこと(または返す反応のこと)」を意味します。Webサイト(ホームページ)に限らず、ユーザーインターフェースを設計するうえで、このフィードバックはとても重要な要素と言えます。

たとえば実生活で、皆さんこんな経験がありますよね。

  • 電話機で電話番号を押すと、受話器から「ピポパポピ...」と音が出る。
  • 自販機にお金を入れると、いくら入れたかが表示される。
  • エレベーターで行き先のフロア(階)のボタンを押すと、フロアの番号が光る。

上記はいずれも、フィードバックの例です。もしこれらのフィードバックがないことを想像してみてください。きっと、不安になりますね。

Webサイト(ホームページ)でも、下記のようなフィードバックの例が見られます。

  • クリックすると、音が出る
  • リンク箇所にマウスオーバーすると、マウスポインタが「指マーク」になる。
  • リンク文字にマウスオーバーすると、文字色が変わる。
  • リンクボタンにマウスオーバーすると、ボタンの色が変わる。クリックすると、ボタンが凹んで見える。
  • Flashのページを開くと、読み込み(Loading)画面が表示される。

このように、技術的には色々なフィードバック手法があります。でも、「クリックしたときに結果がすばやく出る」のが、結局は一番のフィードバックですよね。このことは、どんなにインターネット環境が進化して、コンテンツがリッチになったとしても、普遍だと思います(Loading画面で待たされたところで、お客様は喜んだりするでしょうか?)。
とりわけ入力フォームの場合、サブミットボタン([送信]ボタンなど)を押してからの反応が遅いと、お客様は不安になりがちです(あれ?ちゃんと入力した内容が届いているのかな?と)。最悪の場合、不安にかられた客様が何度もサブミットボタンをクリックしてしまい、「二重課金されてしまう」なんてこともあり得ます。
Webにおいては、すばやい結果表示こそが最良のフィードバックと心得たいものですね。

ついでに言うと、Webはバーチャルなメディアなので、「ユーザーがフィードバックをあらかじめ予想できるようにしておくこと」も大切です(これを可視性といいます)。
たとえば、ショッピングサイトの購入手続きで、「カートに入れる」→「確認する」→「お買い上げ(決済実行)」というステップがあれば、あらかじめすべてのステップ(および今はどのステップにいるのか)を明示しておくことで、ユーザーはクリックしたときに得られるフィードバックを予測することができます。このような可視性によって、ユーザーは安心感を得ることができ、ひいては顧客満足(ユーザーエクスペリエンスの向上)につながるのです。