短期記憶と長期記憶

人間の記憶には、短期記憶長期記憶の2種類があると言われています。いずれも認知心理学の用語ですが、Webサイト(ホームページ)をデザインするうえで、知っておくと良い知識です。簡単に説明すると、以下のようになります。

短期記憶

一見して瞬時に理解し記憶すること。

ただし、長い間保持することができない記憶である(せいぜい、数十秒間で記憶から消えてしまう)。心理学者G.A.ミラー氏による研究によると、人間が瞬時に記憶できるのは7つまたはその前後2つまで(つまり5から9程度)の情報であるとされている。これは「マジックナンバー7」と呼ばれている(ご参考:マジックナンバー7とメニューの数)。

長期記憶

繰り返し学習することで記憶すること。

短期記憶で得られた記憶を、学習によって繰り返すことで、長期間保持される記憶である。忘却しない限り、死ぬまで保持される。

いかがでしょうか。特に難しい概念ではありませんし、日常生活を振り返ってみれば、ご自身の実体験からも「なるほど」と思われることでしょう。今回この概念をご紹介したのは、Webサイト(ホームページ)をデザインする際には、この「短期記憶」と「長期記憶」、どちらにも配慮することが大切だからです。つまり「ぱっと見で理解しやすい情報提供をしていること(=短期記憶をサポート)」と「情報提供のしかた(配置や色遣い、文体、リンク箇所の見せかた、など)に一貫性があって学習しやすいこと(=長期記憶をサポート)」の両方が、同時に満たされていることが理想的です。どちらかが不十分だと、その分、サイトのユーザビリティを低めてしまう恐れがあることを、気に留めておきたいものです。