JIS X 8341-3:2016 達成基準 早見表 (WAIC 公式版)
ウェブアクセシビリティ委員会 (WAIC) より、「JIS X 8341-3:2016 達成基準 早見表」の PDF 版が公開されました。
スクリーンリーダーでの読み上げにも対応しており、PC Talker 10 および NVDA で検証済だそうです。あるいは紙にプリントアウトして常に手元に置いておき、いつでも参照できるようにしておくのもよいでしょう。2ページ構成でまとめられており、プリントアウトする場合は表と裏で1枚に収めることもできます。
1ページ目では、JIS X8341-3:2016 の、4つの原則 (知覚可能、操作可能、理解可能、堅牢)、その下に紐づく計12のガイドライン、さらにその下に紐づく達成基準 (レベル A および AA) が一覧として整理されています。
2ページ目では、JIS X8341-3:2016 の内容が「逆引き」の形で整理されていて、コンテンツの種類 (動画・音声、テキスト、画像、フォーム) やコンテンツの提示方法 (制限時間、色など感覚的な特徴) といった切り口で、アクセシビリティ上配慮すべきことが俯瞰できるようになっています。
以前、時代工房さんが制作された「JIS X 8341-3:2016, WCAG 2.0, ISO/IEC 40500:2012 早見表」(参照 : WCAG 2.0 早見表 (時代工房)) をベースに制作されたものですが、このたび公開された WAIC 公式版では、掲載されている達成基準がレベル A および AA に絞られていて情報の過密さが薄まっていること、また紙面の配色コントラストが高めに設定されていることから、全体的に読みやすくなった印象です。加えて、特にクリティカルな「非干渉 (†)」に該当する達成基準も目に付きやすくマーキングされており、よりツールとして便利になっています。
† 「非干渉」とは WCAG の適合要件のひとつで、これに該当する達成基準を満たせないコンテンツが一部にでも存在すると,サイト内またはページ内の他の箇所にも「干渉」してアクセスを妨げてしまう可能性があるため、それを避けるために必ずこれらの達成基準を満たさなければならないことを言います。この早見表は、クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 4.0 国際 ライセンスの下で提供されています。非営利目的での再配布は可能なので、ウェブサイト制作 / 運用チームのメンバーに配布して日々の実務で活用したり、勉強会の場で配布して教材として用いたりすることができます。私もぜひ使わせていただこうと思います。