アクセシビリティ Tips LT 会に登壇しました

2021年1月21日に開催された「アクセシビリティ Tips LT会」に登壇させていただき、「アクセシビリティを高める micro IA」というテーマでお話をしました。

アクセシビリティについて雑談するオンラインのランチ会で伺った、障害当事者があるモバイルアプリの使用中に感じたフラストレーションの実例を題材に、UI コンポーネント単位の粒度でちょっとした情報設計上の工夫をすることで、よりアクセシブルなインターフェースに改善することができる、というケーススタディを試みたものです。

今回、採り上げたのは、カード型 UI がひと塊のリンクになっているケースです。複数の情報がリンクの中に盛り込まれているものですが、一枚のカード全体がリンクであることでタップ可能な領域が広いという利点は維持しつつ、カードの中で「主たるリンクラベル (つまりリンク先のアバウトネスを端的に表わすラベル)」を見極め、上位に配置することで、スクリーンリーダー利用者のストレスを軽減できる、という改善案を示してみました。

ユーザーの生の声を聞く (または行動を観察する) ことの意義、ユーザーが好む感覚モダリティの多様性を分け隔てなく包含するミクロな IA の大切さ、といったことが多少なりとも伝わっていれば、とても嬉しく思います。

ちなみに発表タイトルの中にある「micro IA」という言葉は、少し前からよく聞かれるようになった「マイクロインタラクション (microinteractions)」にあやかったものです。インタラクションデザインのみならず、インクルーシブな情報設計においても、「神は細部に宿る」的なマインドを持っていたいな、という想いを込めています。


私の発表以外にも、10名もの方によるライトニングトークが繰り広げられ、アクセシビリティに関連して様々な視点からのお話を聞くことができ、楽しかったです。また機会があれば、このような場でお話ができればと思います。