MECE を意識したタクソノミー

ウェブサイトの情報設計 (IA) を行なう中で、タクソノミー、つまり分類体系をどう組み立ててゆくかは重要な要素のひとつです。サイト全体が扱う領域 (ドメイン) を起点に、情報をカテゴリーさらにはそのサブカテゴリーに細分化、構造化し、ラベル付けをします。

タクソノミーの成果物は、多くの場合、ナビゲーションなどのメニューとしてユーザーに提示されます。あるいは、ユーザーがコンテンツをアップロードするようなアプリケーションの場合、そのコンテンツに付与するジャンル名の選択肢としてユーザーに提示される、ということもあるでしょう。いずれにしても、タクソノミーが適切であることによって、ユーザーは、サイトやアプリケーションが扱う情報の全体像を把握しやすくなり、また、目的の情報を見つけやすくなります。

私自身、タクソノミーを組み立てるにあたっては、ユーザーにとってのわかりやすさ、見つけやすさを支援するために、基本的に以下の要件を満たすのが望ましいと考え、実践するように意識しています。

この箇条書きを見てみると、分類された個々のカテゴリー項目のありかただけに留まらず、カテゴリー間の関係や、カテゴリーの集合がどうあるべきか、といったこともタクソノミーの重要な要件であると言えるでしょう。そのような観点から、押さえておきたいポイントが「MECE (ミーシー)」という考えかたです。

MECE とは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「相互に排他的、集合的に網羅的」であることを表しています。もともとはロジカルシンキングのフレームワークのひとつですが、それゆえに、ウェブサイトの情報設計をロジカルに構築してゆく際にも、応用することができます。特に、カバーするドメインが幅広く、扱う情報が多岐にわたるコーポレート系などのサイトにおいては、タクソノミーを検討する際の思考ツールとして、あるいは、タクソノミーを運用する際のガバナンス方針として、MECE を採り入れるのは有効かと思います。