ヒューマンエラーを未然に防ぐユーザーインターフェース
こんな経験はありませんか?
デパートで買い物をして、エスカレーターで一階に下り、そのまま食材を買いにデパ地下に行こうとしたら、地下一階への下りエスカレーター乗り場が離れたところにあった。あーめんどくさい。
実はこれ、災害時のことを考えて、敢えてこのような造りにしているそうです。
というのも、火災などでエスカレーター(おそらくは停止していて「階段状態」になっていると思いますが)を下りて非難する際、一階で屋外に出る必要がありますが、仮にエスカレーターがデパ地下までスムーズにつながっていると、パニック状態の人はつい、一階にとどまらずそのまま地下に流れてしまう(つまり、屋外に出られない)という危険性があるからです。この話を聞いたとき、私は「なるほど〜!」と思いましたね。
Webサイト(ホームページ)においても、ユーザビリティの一要素として、ヒューマンエラーを未然に防ぐ工夫は必要です。たとえば、以下のようなものです。
- 入力フォームで必須事項が入っていない場合などに、エラーメッセージを出して確認を促す。
- 入力フォームに以前記入した内容を必要に応じて保持し、二度手間(による入力ミス)を避ける。
- 支払い決済や、使用許諾契約など、ユーザーに重要な判断を求めるボタンは、そのまま[Enter]キーで先に進めないようにする。
- 入力の要領(たとえば電話番号を入力させる際、「半角で」「ハイフン付きで」入れてください、といったこと)を入力箇所のすぐ側に明示する。
- ある目的ページを見てもらいたい場合、メインの動線以外のリンク経路も用意する。
一般的なユーザー特性からもわかるように、ユーザーというのは、些細なことでミスを犯したり勘違いをしたりするものです。いえ、本当は、ミスや勘違いのほうがユーザーにとっては「当然の行動」であって、そういった「当然の行動」を、Webサイト(ホームページ)制作側/運営側が、見抜けなかっただけかもしれません。
いずれにしても、Webサイト(ホームページ)制作側/運営側が考える「当たり前」が、必ずしもユーザーにとっての「当たり前」とは限らないことを肝に命じ、また同じ人でも状況によって(体調が悪い、焦っている、など)認知/判断のミスをしてしまうことも想定して、そういったユーザーをもきっちりとフォローできる懐の広さが必要ですね。