ユーザビリティ配慮のためのチェックポイント

ユーザビリティに配慮したサイトを作るためには、具体的に、何を気をつけたらいいですか?という質問を受けることがあります。表面的にユーザーインターフェースをチューニングすれば済む話ではなく、実際には、サイト開発の上流工程も含めて、色々と気をつけなければならないことがあります。

今回は、サイト構築のプロセスを見渡して、どういう点に気をつければよいかを、ごく大雑把にではありますが、まとめてみました。個々の箇条書きの内容については、追って、詳しく解説できる機会を設けたいと思います。

サイトのターゲットユーザーおよびサイトのゴールの明確化
当サイトのコラム記事「ターゲットユーザー像をつくる」をご参照ください。
  • ペルソナ(具体的なターゲットユーザー像、例えば年齢、性別、職業、趣味や嗜好、インターネット歴、ネット接続環境などを作る。)
  • シナリオ(ターゲットユーザーがいつ、どこで、どのようにウェブを使って自身の目的を達成するかを想定する。)
コンテンツの洗い出しと優先度づけ
ターゲットユーザーにとって必要な情報(コンテンツ)は何か。各々のコンテンツの優先度はどうか。
情報の組織化
サイトの構造が、提供する情報(コンテンツ)に応じて適切にまとめられているか。コンテンツの階層構造が適切かどうか。
提示する情報の優先性
各ページにおいて、提示する情報(コンテンツ)の配置がターゲットユーザーにとって適切か。
目的ページへの効率性
ターゲットユーザーが、目的のページまでスムーズにたどりつけるか。
ページ内容の明確性
ターゲットユーザーが、一目でページに記載されている内容を理解できるか。
デザインルールの一貫性
サイト全体のトーン&マナー、各ページ内のレイアウト(情報配置)のルール、動線の誘導のしかた、などに一貫性があるか。
ナビゲーションの直感性
サイト内の各種ナビゲーションの使用法がざっと見ただけで理解でき、開きたいコンテンツへの移動、後戻り、関連情報への移動、ホーム(トップページ)への移動が速やかに行なえるか。
現在位置の認識
ユーザーが常に自分の現在位置を把握できるかどうか。
ユーザー補助への配慮
ユーザーがサイトを利用するうえで、閲覧を断念させてしまうような問題点がないか(ユーザーが行き着いた先が袋小路になっていないか、操作ミスがあったりした場合でも復帰できる動線がわかりやすく提示されているか、など)。ユーザーがサイトを利用しやすいように補助する機能があるかどうか(申し込みや登録などをお願いする際に、手続きの段階を明示しているか、操作ミスを防止する手立て、例えば入力内容の確認/修正ページの用意があるか、など)

いかがでしょうか。もちろん、上記のチェックポイントは唯一の正解ではありませんし、実際には、もっと細かい部分まで気を遣う必要があるのですが、ユーザビリティに配慮されたサイトの構築プロセスにおいては、おおよそ、これらのことがカバーされていると言えます。皆さんのWebサイト改善に、何らかの参考になれば幸いです。