「Inclusive Design Principles (インクルーシブデザインの原則)」日本語訳

先の記事『英語圏のウェブアクセシビリティ コミュニティで語られる「インクルーシブデザイン (inclusive design)」について』で、The Paciello Group (以下 TPG) の「Inclusive Design Principles (インクルーシブデザインの原則)」について触れましたが、このたびインフォアクシアの植木さん (WebA11y.jp) と共同で、この文書を日本語に翻訳し公開させていただきました。(スペイン語、フランス語に続く、3つめの翻訳となります。)

インクルーシブデザインの原則 (「Inclusive Design Principles」日本語訳)

これは、世界的な規模でウェブアクセシビリティのコンサルティングを手がけている TPG のプロジェクトとして、Henny Swan さんIan Pouncey さんHeydon Pickering さんLéonie Watson さんを中心にまとめられたもので、以下の7つの原則から成っています。ウェブアクセシビリティというと、即ち WCAG 2.0 の達成基準を満たすこと、と捉えられがちですが、本来はそれに加えて、あらゆる障害や状況を抱えたユーザーに対しても分け隔てなく (“inclusive” に) 優れたユーザーエクスペリエンス (UX) を提供することが大事です。ここに挙げられた7原則は、そのための基本的なアプローチを明文化したもの、と言えるでしょう。

Provide comparable experience (同等の体験を提供する)
あなたの作ったインターフェースがすべての人に同等の体験を提供できるようにして、利用者がそれぞれのニーズに合った手段を用いても、コンテンツ品質が損われることなくタスクを達成できるようにしましょう。
状況を考慮する (Consider situation)
利用者は様々な状況であなたの作ったユーザーインターフェースを使います。状況に関係なく、あなたの作ったユーザーインターフェースが利用者に貴重な体験を提供できるようにしましょう。
一貫性を保つ (Be consistent)
馴染みのある慣例を用いて、それを一貫して適用しましょう。
利用者に制御させる (Give control)
利用者が自ら制御できるようにしましょう。利用者はそれぞれ好みの方法によって、コンテンツにアクセスして、コンテンツとやりとりできるようにすべきです。
選択肢を提供する (Offer choice)
特に複雑なタスクや標準的でないタスクには、利用者がそれらのタスクを完遂できるように、様々な手段を提供することを検討しましょう。
コンテンツの優先順位を付ける (Prioritise content)
ユーザーが主たるタスク、機能、情報に集中できるように、それらをコンテンツやレイアウト内で優先順位付けしましょう。
価値を付加する (Add value)
機能の持つ価値や、その機能によって様々な利用者の体験をどう向上させることができるかを考えましょう。

詳しくはぜひ、日本語訳の全文をお読みいただき、日々のウェブサイト/アプリケーションのデザインに活かしていただけたら幸いです。