Natural Language Interface Accessibility User Requirements (W3C First Public Working Draft)

W3C が、自然言語インターフェース (natural language interface) のアクセシビリティについて、ユーザー要求 (user requirements) をまとめ、ドキュメントを公開しています。

ここで言う「自然言語インターフェース (natural language interface)」とは、ユーザーとシステムとの間で、人間が日常用いている自然な言語 (話し言葉や書き言葉) によるコミュニケーションが行われる UI のことで、ユーザーが発話などによるセンテンス形式でインプットすると、システムもそれに呼応して、音声、テキスト、その他適切なモダリティによるセンテンス形式でアウトプットする、というものです。たとえば、AI アシスタント (Siri、Alexa、Google アシスタント、Cortana など) やチャットボットなどが挙げられます。

自然言語インターフェース (natural language interface) のアクセシビリティを担保するためには、多くの検討すべき課題があります。たとえば、身体や感覚器の障害などを含む様々な特性を抱えたユーザーが等しくシステムを操作できるように、入出力の両面で多様なモダリティが利用可能であること、認知 / 学習障害を抱えたユーザーがつまづくことなくシステムを利用できるように、知覚や理解がしやすいこと、シンプルであること、時間制限などのプレッシャー要因を制御できること、などです。

こうした課題の理解と解決を促すべく、本ドキュメントでは「2. User needs and requirements」のセクションにて、以下に挙げる箇条書きリンクの観点で、具体的なケースが提示されています。詳細は、個々のリンク先 (本ドキュメントの英語原文の該当箇所) を実際にご参照いただければと思いますが、各ケース (今回の Working Draft においては合計で27個あります) は、ユーザーニーズ (User Need) と、そのニーズを満たすための要件 (REQ)、という構成でまとめられています。

上に挙げた各ケースは、今後さらなるフィードバックや知見の蓄積を受けてアップデートされる可能性がありますが、AI アシスタントやチャットボットに関する、現時点で浮き彫りになっているアクセシビリティ上の課題や求められる要件を俯瞰するうえでは、十分参考にできるかと思います。先にご紹介した XR Accessibility User Requirements と同様、恐らく最終的には Working Group Note のような形でリリースされるかと思いますので、引き続きウォッチしてゆきたいと思います。