Twitter 投稿画像の代替テキスト入力リマインダー

以前、Twitter 投稿画像の「ALT」バッジについての記事を書きました。Twitter Accessibility チーム (@TwitterA11y) にも、記事に書いた内容を改善提案としてフィードバックしています。

このフィードバックに対する直接のお返事はありませんが、「ALT」バッジによって本来の代替テキストとは違う意図のテキストが投稿画像に対して入れられてしまうようになり、その結果、視覚障害者のユーザー体験が阻害されてしまう問題は海外でも同様に見られるようで (参考 : Misuse of Twitter’s Alt Text Feature Draws Criticism From Accessibility Advocates - Wall Street Journal)、こうした背景からか、Twitter では投稿画像の代替テキストを適切に記述するようユーザーにリマインダーを提示する機能が追加されました。

2022年7月14の時点で、全世界の10%の Twitter ユーザーに展開されている機能ということで、私自身は残念ながら手元で確認できていませんが、「How to set image description reminder - Twitter Help」によると、画像を含むツイートを投稿しようとした際、当該画像に代替テキストが含まれていないと、リマインダーがポップアップ表示されるようです。

リマインダーのメッセージ内容は、この記事の執筆時点では以下の通りです。

Don’t forget to make your image accessible. (あなたの投稿する画像を、アクセシブルにすることを忘れないでください。)

Good image descriptions are concise yet detailed. Be sure to summarize or write out any text in the image itself. Your description makes Twitter accessible to people with disabilities, and everyone who wants more context. You can turn off this reminder in Accessibility Settings. (優れた画像の説明文は、簡潔でありながら詳細なものです。画像内にあるテキストを要約またはすべて書き出すことを忘れないようにしましょう。説明文があることによって、障害者や、より多くの文脈情報を欲するすべての人にとって、Twitter がアクセシブルなものになります。このリマインダーは、アクセシビリティ設定で無効にすることができます。)

このリマインダーが、ナッジとしてうまく奏功してくれればよいのですが、そのためには、代替テキストの具体的な書きかたについて、もう少しユーザーに寄り添った平易なガイダンスがあるとよいかもしれません。たとえばリマインダーの中で、「画像内容を、何らかの事情で画像が見られない知人に説明するとして、どんな言葉で伝えますか?」といった問いかけをするのも有用でしょう。

また現実的には、ユーザーが忙しい日常生活の合間にツイートするというコンテキストにおいて、都度、画像の代替テキストをきちんと入力するのは正直難しいでしょう。代替テキストは事後に入力や編集ができるようにし、リマインダーも新規投稿時だけでなく過去の投稿に対しても (ある一定の期間や投稿数の範囲でよいので) さかのぼって提示されるようになればなおよさそうです。

Twitter が投稿画像の代替テキストに対して「ALT」バッジを表示するようになったことについて、私自身、思うところはいろいろありますが、ウェブコンテンツの画像に代替テキストを付けることで視覚障害者も画像の内容を理解できるようになるということが、広く一般ユーザーに知れ渡るきっかけになれば、という期待も同時に持っています。その意味において、今回ご紹介したリマインダーの提示が、ユーザー行動を (アクセシビリティの観点で望ましい方向に) 後押しすることにつながるか、興味深く見守りたいと思います。