ウェブアクセシビリティ自動テストスクリプト「axe-test.js」のアップデート (WCAG 2.2 対応)
WCAG 2.2 (日本語訳) が勧告になったことを受けて、Deque Systems, Inc. が開発、公開しているウェブアクセシビリティ検証ツール「axe」のコアエンジン「axe-core」でも、WCAG 2.2 で新しく追加された達成基準の一部を機械的にテストできるようになっています (註1)。
註1 : axe-core のバージョン 4.5.0 より、達成基準 2.5.8「ターゲットのサイズ (最低限)」(レベル AA) がテスト対象に含まれるようになっています (Rule ID :target-size
)。
これに伴い、私が個人的に公開している「axe-test.js」(axe-core を利用してウェブサイトのアクセシビリティ自動テストを一括的に実行するためのスクリプト) についても、このたび WCAG 2.2 対応としてアップデートいたしました。以下のリンク (GitHub) から入手できます。
具体的には、「axe-test.js」のスクリプト内に、テスト基準の設定を記述している箇所があるのですが、そこに wcag22aa
というタグを追加する形で、下記のとおりに変更してします。(ちなみに、wcag22a
というタグはありません。これは、WCAG 2.2 で追加された達成基準のうち、レベル A のものは axe-core のテスト対象に含まれていないためです。)
const results = await new AxePuppeteer(page).configure(config).withTags(['wcag2a', 'wcag2aa', 'wcag21a', 'wcag21aa', 'wcag22aa', 'best-practice']).analyze();
今回アップデートした「axe-test.js」は、本記事執筆時点で最新の axe-core (バージョン 4.10.0) で、動作することを確認済みです。よろしければ、ご活用いただければ幸いです。
また、「axe-test.js」のテスト結果 (.csv ファイル) と併用することを想定して制作した「axe-core ルールと WCAG 達成基準の対照表」についても、WCAG 2.2 対応としてアップデートしています。こちらもよろしければ、併せてご活用いただければ幸いです。